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名前:ジェームズ・ストーンフィールド 性別:男 年齢:21 身長:170cm 体重:70kg 容姿:坊主頭、青い目、眉間に傷がある、中肉中背。 おいたち 製鉄工場の重役の家に産まれた8人兄弟の4男。 幼い頃から鉄製品に親しみ、銃の扱いに長ける。 獣士に覚醒した後は父の推薦である貴族の所有する山の管理を手伝う仕事を任され。 パートナーの復元獣を操り山の管理をこなす傍ら、父のバックアップで得た強力な装備を手により自分に最良な有魂獣を求めていた所、無魂獣の出現により、獣士ギルドに召集された。 眉間の傷は現在のパートナーであるレインベアーとの戦闘中についた物。 備考:使用する武器は普通より良質なマスケット銃と、腰に装備したサーベル。 使 用復元獣:レインベアー ジェームズの仕える貴族の所有する山に生息していた身の丈3mもある熊の有魂獣を許可を得て殺し、使役している。 ジェームズが単独で殺したため無傷。 分厚い筋肉は一撃で人間を殴り殺す事ができ、爪や牙はレンガや石を砕くほど強力。 体内に発火器官の様な物があり、噛み砕いた石を一度飲み込み、散弾銃のように口から発射する能力を持つ。 散弾の威力はそこまで高くなく、爆風などで勢いよく飛ぶガラス片程度。 使用復元獣の元となる有魂獣をどうやって倒したか: 巣の洞穴を見つけ出して爆薬を投げ込み致命傷を負わせる事に成功 死亡確認を行おうとした時復活され、眉間に石の散弾が突き刺さったものの反撃に撃った銃がレインベアの心臓を捕らえ、完全に死亡させた。
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識柚3 ※パロディにつき注意 うちにメイドがやってきた。ぎっくり腰をやってしまった古参のメイドの親戚らしい。 「気ぃは強いけど、優しい子やからお願いします」 まったりとした彼女は京都育ちで、そうかそうか、じゃあその子もきっと京都美人に違いないと思いこんでいた。 …思いこんでいたかった。 「クソ、なんでわいがこないなカッコして庭掃除せなあかんねや…っ」 ひたすら悪態をつきながらザッザッと箒を振るう(ほとんど振るっていた。掃く、じゃなくて)我が家のメイドの誰もが着ている、ピンクの影。先代のレトロ趣味が変な具合に歪んで、ひらひらとした桜色の肩紐に、パフスリーブ、スカートは黒というスタイルが定着している。 そのくせ口には煙草。しかも、オヤジ好みのあの銘柄… 見た目は抜群。もしかしたらうちのメイドの誰よりもあの服が似合っているのに、中身はてんで… 「おっさん?」 「こぉぉるぁあ! 誰がオッサンじゃボケェ!」 「うがぁっ!? ほ、箒っ!?」 なんて地獄耳。そして瞬速。俺がぽそっと呟いただけなのに、赤毛をがさつにまとめただけの頭がぐるっと動いてその手の竹箒を槍投げのごとく投げてきた。 …一歩間違ったら死んでるんですけど。かろうじて避けた箒がきちんと手入れされた芝生に深々と突き刺さっているのが恐ろしい。どんな腕力だ。 「あ? なんや識かいな」 「…いちおう、俺がこの家の主なんですけど…」 「年下に敬語やらサマ付けできるかい。どーしてもっちゅうんならしてやってもええで? ええんか、識サマ?」 「いや、無理して呼ばなくていいです」 なんで俺が敬語なんだ。しかしこのメイド…ユーズからサマ付けされると何か小馬鹿にされているような…実際されている気もするが、本来の従順な雰囲気のある響きにならないので好きに呼んで貰うことにした。 京都育ちなのは古参のメイドだけであって、ユーズをはじめとする一族郎党はすべて大阪出身らしい。しかも濃厚なトラキチ。 初日に挨拶をすっぽかして「今日はマジックがかかっとるんや!」と虎色一色になってすっ飛んでいったのは記憶に新しく、消えることの出来ないファーストインパクトだった。 「キヨさんが戻ってくるまででいいから、頼みますよ」 「当たり前や!いつまでもこんな格好しとられるか!」 「だって、今それしかありませんから。…なんなら、俺の趣味のチャイナでも…」 「断る!断固いらん!」 俺のささやかな譲歩を蹴り飛ばし、ユーズは刺さっていた箒を抜き取ると、また力任せにざっざっと庭掃除を始めた。 「あーモクきれた。ご主人サマ煙草もってへん?」 横柄に横柄すぎるユーズは不敵にニヤリと笑ってみせた。 終われ。 某所で見かけたメイドさんのユーズにきゅんとして勝手に妄想。スイマセンスイマセンスイマセン…柄の悪いメイドユーズが突然書きたくなっただけです。
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【検索用 たんてき 登録タグ 2008年 VOCALOID た エスノP 初音ミク 動画削除済み 曲 曲た】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:エスノP 作曲:エスノP 編曲:エスノP 唄:初音ミク 曲紹介 曲名:『耽溺』(たんでき) 歌詞 (作者ブログより転載) 夜を剥いだ爪痕がまだ シーツに食い込んだ 朝日浴びた崩れた顔は 滲んだまま 澱んだ香り胸に満ち溢れて 乱れた白い快楽の海に沈んだ (芳しい声で乱れた吐息で熱く耳元で) 私を騙して (乾いた心は偽りの愛が満たしていくから) 誇りを踏み希望を奪い 立ち去る君の腕に すがりついて媚びた笑顔で 指を絡め 澱んだ視線胸に突き刺さって 振られた片手が私を置き去りにした (濡れた唇で奏でた言葉で熱い眼差しで) 私を騙して (想いが嘘だとわかっているけど溺れていたいの) 一人はイヤなの 甘美な嘘は遠ざかり夢が弾けた (芳しい声で乱れた吐息で熱く耳元で) 私を騙して (濡れた唇で奏でた言葉で熱い眼差しで) 私を騙して (想いが嘘だとわかっているけど溺れていたいの) 一人にしないで (乾いた心は偽りの愛が満たしていくから) 欺瞞に満ちて枯れた世界で愛なんて無くて 鍵をかけて塞いだ部屋で 一人で コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
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【名前】でっていう 【所属】やる夫ロワ 【性別】雄 【外見】ヨッシー 【能力】 初期:身体能力:EX 知能:- 中期(高良みゆきを捕食):身体能力:EX 知能:B+ 後期(長門有希を捕食):身体能力:EX 知能:EX 最終期(オプーナを捕食):身体能力:EXOver 知能:EXOver ○捕食 敵を食い殺す事で、その身体能力、知性、特殊能力等を獲得することが出来る。 ○飛行 翼を生やして空を飛ぶ。 ○1084℃の炎 高熱の火炎放射。 作中の描写を見る限りでは、温度の調節が可能かと思われる。 ○舌を伸ばす 舌を伸ばして相手の体を貫く。 ○死の河 アーカードのアレ。24時間以内に食い殺した相手をゾンビ化させて召喚し、使役する。 【詳細】 ゲーム開始直後に、「クラスの皆には黙ってたけど実は人間の肉は美味しいっていうwwwww」と吐露し、 ブームくん、いくおを捕食。その後塔に陣取っていたハルヒ組(ハルヒ、長門、朝倉、古泉)を強襲する。 長門、朝倉を煽った後、驚異的な戦闘力で朝倉を捕食し、長門をも魔手にかけようとするが、古泉の狙撃で頭部を負傷して逃走。 逃走した先で高良みゆきと遭遇し、知略で己を退けようとするみゆきをノリで殺害、脳髄を啜って知性をアップさせる。 気ままに空を飛んでいる途中、羽入とやる実を発見し、やる実を一瞬で食い殺して羽入をわざと逃がし、仲間を見つけようとする。 しかしハエに気を取られて羽入を見失い、喉が渇いたので川で泥水を飲もうとするが底に足が付かず流される。 流された先で長門、古泉、ハルヒと再会し、長門と古泉を食い殺して更に高い知性を獲得。 その後、やらない夫、柊つかさ、キョンのグループに遭遇し、「お前等のお友達は美味かったぜえええええwwww」と挑発。 やらない夫の放った銃弾(怒りに震えた照準だったらしい)を難なくかわし、逃げ出した三人を甚振りながら追いかけ殺すと宣言。 しかし勢いで飛んで追いかけた結果追い抜いてしまい、三人が追いついてくるのを待つ。 そこで満身創痍の柊かがみと遭遇してその顔面を炎で焼き、顔面Ⅲ度の火傷を負わせて放り出す(メインディッシュにするため)。 その直後にやる夫と羽入に遭遇、やる実を殺した事からやる夫に恨まれるも、逃げ出した二人を食い殺す為に追いかける。 追いかけた先でたどり着いた市街地で、自身とロワ内で二強とされるステータスを持つオプーナに遭遇。 激戦の末オプーナを捕食し、 最終期(基本的に言葉が丁寧語になり、頭部にエナジーボンボンが付いて体はよりヨッシーに近くなる)へと進化する。 圧倒的な力を振るってやる夫、やらない夫、阿部さん、道下、こなた、つかさ、圭一、羽入、デューク東郷と戦闘。 阿部さん、道下を殺害するも、オプーナを食ったことが仇となってゴルゴ13の狙撃でエネルギーを暴走させられて死亡する。 最終戦績9人殺害のやる夫ロワトップマーダー。 【参加者との関係】 泉こなた・・・やる夫ロワにおける彼女とはクラスメイト。最終決戦の相手の一人。 柊つかさ・・・やる夫ロワにおける彼女とはクラスメイト。最終決戦の相手の一人。 柊かがみ・・・やる夫ロワにおける彼女とはクラスメイト。顔面を炎で焼く。後で食べるつもりだった。 高良みゆき・・・やる夫ロワにおける彼女とはクラスメイト。捕食。 朝倉涼子・・・やる夫ロワにおける彼女とはクラスメイト。捕食。 阿部高和・・・やる夫ロワにおける彼とはクラスメイト。最終決戦の相手の一人。殺害。 涼宮ハルヒ・・・やる夫ロワにおける彼女とはクラスメイト。二回もニアミスした。 前原圭一・・・やる夫ロワにおける彼とはクラスメイト。最終決戦の相手の一人。 桂言葉・・・やる夫ロワにおける彼女とはクラスメイト。最終決戦の相手の一人。 キョン・・・やる夫ロワにおける彼とはクラスメイト。一度遭遇し、食い殺そうとするが逃げられる。 やる夫・・・クラスメイト。最終決戦の相手の一人。 ルイズ・・・やる夫ロワにおける彼女とはクラスメイト。死亡を放送で確認。
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ラケットすっぽ抜け【らけっとすっぽぬけ】 ひびきの高校テニス部に伝わる奥義。 まずは、相手に向けて連続サーブをお見舞いする。 だが、きらめき高校の奥義のようにボールが火の鳥になる訳でもないので、全然ダメージを与えられない。 そこで奥義使用者は、目一杯の力を込めサーブをしたはずなのだが……ボールではなくラケットを相手の眉間めがけて投げつけてしまう。 使用者にとっても想定外だったらしく、わずか10ではあるが(おそらく精神的な)ダメージを負う。 あまりに意表をつく攻撃で、ラケットのスピードも出ていたせいか相手もこれを避ける事が出来ず、眉間に突き刺さって大ダメージを与える。 こんな技ではあるが、寿美幸の攻略では坂城匠と決闘になる事が多いので、その際には切り札的な存在になる奥義でもある。 体調・運動・根性も高くしておいてトドメにこの奥義で仕留めるのが理想だろう。 攻略の妨害をされたお返しに思い切りラケットを突き刺してやるのが、ある意味彼への恩返しになることだろう。 関連項目 部活・趣味・バトル テニス部
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漫画っていいな 僕の全てさ どんなに強い敵が来たって大丈夫 だからHeaven s Door ここに新しいページをひらこう 今 最高のリアリティが待っているから 売れっ子漫画家って言っても ずっと机に向かっているだけじゃあ 素敵な体験 最高のネタさえも つかめずに 通り過ぎてしまう 乙の隠す背中が見たい 大人気なくても子供 負かしたい 悩むことは何もない さあ描くんだ 殺人鬼?見つけるさ 今ここで宣言しよう! 漫画っていいな インクとペンだけで 感動与えることができたら最高さ だからHeaven s Door ここに新しいページをひらこう 今 取材で外国出掛けるみたいに インクの瓶が空になったら 町に画材買いに出掛けよう 迷うことは何もない さあ君たちも リアリティ読ませてよ 僕色に染めるから 町を守ってと繰り返す君のおかげで 僕はここに立っていられる ありがとう 振り返る君に 皆で最期の別れを告げよう Goodbye またいつか微笑んで出会えるように 漫画っていいな 僕の全てさ どんなに辛いことがあっても大丈夫 だからHeaven s Door ここに新しいページを刻もう 今 最高のエンディングが待っているから 原曲【テニプリっていいな】 元動画URL【http //www.nicovideo.jp/watch/sm9281422】
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あんふぁんてりぶるいんはろうぃん【登録タグ あ てにをは 初音ミク 曲 殿堂入り】 作詞:てにをは 作曲:てにをは 編曲:てにをは 唄:初音ミク 曲紹介 てにをは氏が送るハロウィン曲。 歌詞 (作者ブログより転載) さあ おもちゃの銃 こめかみに当ててほら ぼくら夜が大好き 包帯ぐるぐる ghoul dance ませた頬杖 あの子が笑う ニシシッて月に笑う だって10月はトラウマの国 砂糖のお城でしょ? 遊びの時間は終わらないわ お菓子をくれなきゃアタマをちょん切るゾ 召された子供の行列だ キャッハッハッハー! 自分の首を追いかけてく 12 45 ぼくらは孤児だ キャンディにつられて ついていったら危ないよ 捨てられたおもちゃたちの 行方誰にも分からない ひそひそ話の tick tock Cheese 今宵は宴だ clap crap Corpse ひとりでに影が歩きだす ハロウィンの夜 鞭も痛くないよパパ 割れたビスケットの夜 毒入りだって平気だよママ ツギハギだらけのスマイル 霊園にパラソルが舞う頃 奈落(アビス)のお茶会を始めましょう ナイフが背中に刺さったままじゃ キレイな洋服着れないね 6 890 誰もが名無し子だ 大人になんかならないよ なるべく残酷な童話を読んで 月曜日に墓の中 日曜日に生まれるの グラスを片手に cheap Talk cheers 闇夜にお散歩 crash crack collapse ねぇねぇ上手にできたでしょ? 『アレ』の標本 屋根の上からあっかんべー 言うことなんて聞かないもんね 太陽なんて大嫌い! 『子守唄が聞こえ……――』 キャンディなんかに騙されて ついていっちゃいけないよ 捨てられた子供たちの 秘密基地(アジト)教えてやんないよ enfant terrible コメント 可愛く怖い曲ですよね。好きー -- みh (2010-10-31 15 51 17) 良曲! -- 名無し子 (2010-10-31 21 46 47) いい曲!!来年のハロウィンが待ち遠しいw -- ルイ (2010-11-02 18 39 29) 「あれ」の標本って何?? -- 名無しさん (2010-11-03 20 52 56) ↑えーと・・・察して -- 名無しさん (2010-11-04 17 49 55) ミクのワオーンが好き -- ぽりき (2010-11-05 00 19 53) アレの標本がわからない……。重複すみません(^p^) -- ぴろん (2010-11-06 07 30 24) ↑察してくれ。 ・・・虫の標本って背中に刃物が突き刺さってry -- 名無しさん (2010-11-06 07 42 41) クリスマスやら正月やらのこの時期にこの曲聴きまくってたよ自分ww -- 名無しさん (2010-12-28 13 59 15) 『キャッハッハッハー!!』がたまなく好きwそれにしても、歌詞が面白いなーw聞いてて楽しいです← -- 名無しさん (2011-03-07 21 49 05) アレの標本ってまさか、人の・・・? -- 名無しさん (2011-08-15 15 44 37) ピンポンピンポン大正解!さあ、君も標本になってみる?キャッハッハッハー! -- ハロウィン前に浮かれた阿呆 (2011-09-27 13 34 49) なぜ伸びない…ほんと、自分は大好きなんですけど。 -- 名無しさん (2012-07-07 20 48 08) ↑7 なるほど!謎が解けた~ -- 名無しさん (2013-01-23 22 09 39) おお!! -- 名無しさん (2014-10-10 19 55 48) 12 45 ぼくらは孤児だ の「孤児」の読み方がわからない・・・。 -- 亜夢 (2014-10-27 17 33 09) ↑「みなしご」ですよー -- レアル (2015-11-10 08 23 37) 少し狂った要素のある可愛い曲ですね。 -- 通りすがりのボカロ厨学生 (2016-02-16 07 00 48) 名前 コメント
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春野サクラは夢見キララの手を取ると町中を必死に走っていた。 この会場に気がついたらいて、動揺から立ち直ったところで話しかけてきたキララと互いの名前すら名乗る間もなく走り出すことになった原因が、彼女の目の前へと降り立つ。 「「危ないっ!」」 二人が互いを気遣う声をあげたのはなんの偶然か。そしてその口が閉じるより早く蹴り飛ばされる。 一蹴りで二人を、それも忍者であるサクラすらもキララを庇うことすらできなかったことが、襲う者と襲われる者の戦力差を端的に示している。 繋いでいた手が離れ地面を転がるサクラに広がるのは絶望。殺し合いに巻き込まれたのもまさかなら、その人物もまさかだ。 「終わりだ。」 サクラよりも何歳か年下だろう外見からは想像できない冷徹さでそう言う少年の目は、赤い瞳に黒い渦を巻いていた、 「写輪眼……アンタ、うちは一族の……」 「写輪眼じゃない、うず目だ、魔眼だがな。」 その瞳の特徴からサクラが連想するのは、同じ第七班の仲間であるうちはサスケだ。木の葉の名門にして忍界最強の瞳術を持つうちは一族は、サスケの兄によって一夜にして皆殺しにされたと聞く。圧倒的な強さもあってサクラがそれと勘違いするのも無理はなかった。 少年の名はタイ。サクラとは別の世界である日本で悠久の玉を得るために暗躍していた伝説の子である。そして伝説の子である証のその瞳は、期せずして写輪眼と同じ赤に黒。この瞳は彼に高い動体視力・身体能力・反射神経をもたらしていた。そしてそんな力を持つ彼に蹴られれば下忍であるサクラとて怪我は避けられず。 「くっ……がっ、あああ!」 「ふん、まだ生きてたか。」 ましてや肉体的には一般人のキララになど助かる道理がなかった。 いくら人気アイドルとしてレッスンに打ち込んでいるとはいっても、特別な異能などはない。 鋭い蹴りで腹の皮をぶち破り、内臓にまで直接ダメージが及んでいる。人間として、なによりアイドルとして致命的なその傷を自覚したことでキララの顔色が青くなる。その青さはすぐに失血によるものに変わるだろう。 タイが血に濡れた靴の爪先を地面になびり、彼女にとどめを刺そうと歩き出すのをサクラは見ていることしかできない。サクラにとっても先の一撃は今までの人生で最も大きいダメージだ。立ち上がるどころか意識すら保てそうにない。 (こんなに強いなんて、コイツ、カカシ先生ぐらいの身体能力があるんじゃ……) 絶望に沈む心で想像するのは、自分たち第七班の担当上忍。彼女の中では同じ写輪眼を持つサスケすらも文字通りに子供扱いする体術の使い手。もっともはたけカカシの場合は身体能力だけではなく体術そのものの技量が上忍としても高い水準にあるのだが、どのみちサクラからすれば目で追うのが難しいほどのスピードで動いているので大差はない。たしかなのは、下忍レベルのフィジカルしかない自分では抗いようがないということだけ。忍術も幻術も使わない相手に文字通りの一蹴をされて打つ手というものが思いつかない。 呆然と名も知らぬキララを見る。その口がかすかに動き、微笑んでいるのを、サクラは凝視した。。 (! それでも……) 「分身の術!」 (アカデミーの頃とは違う! しゃんなろー!」 写輪眼のように卓越した観察眼が無くても、キララの口の動きでわかる。 『逃げて』、そう言ったのだ、彼女は。 名前も知らない自分に、同い年ぐらいとはいえ忍者でもない女の子が、これから殺されるとわかっているはずなのに心配させないようにと。 「へぇ、幻か。それで?」 なんとか2人の分身を出したサクラを面白いものでも見るような目で見て、タイはキララに向けていた足を返す。これで少しでもこの危険人物を足止めできる。そう思ってサクラがクナイを取り出し構えた次の瞬間、タイの姿が消える。次いで訪れたのは、ボフンッ!という破裂音、そして腹部の熱。 「うっ、ああ、あああ……」 「やっぱり君はただの人間じゃないようだけど……それでもぼくは持ってる基本性能が違う。"格"が違う。」 タイの声が聞こえたのは自分のすぐ近く。視線を下に向けると、そこにはクナイを出したサクラの手を掴み彼女の腹へと突き刺したタイがいた。膝立ちになるような低い姿勢から見上げるうず目と目が合う。その瞳に吸い込まれるように意識が遠のく。それでも。 「変わり身の術!」 クナイから手を離し印を結べば、サクラの体が煙とかす。残ったのはクナイに突き刺さったサクラの服だけ。 「なにっ。幻か。ちがう、たしかに刺した。」 一瞬とはいえ視界を塞いだことが上手くいった理由だろう。深手を負っていたがなんとか術を発動すると絶望的な状況を脱することができた。サクラは聞き耳を立てタイの独り言から察する。 変わり身の術はアカデミーで習う基礎的なものだが、それゆえに相手の不意をつく基本的な術だ。本来は当たる前にやるものだが、変わり身用の木や動物の用意もなければ、相手が早すぎてタイミングを取ることもできない。 問題があるとすれば、キララを見捨てる形になったことだ。だが背に腹は替えられぬ。 「まだ気配は近い。先にお前を殺して……いや、いいことを思いついた。」 だがそう思った矢先にタイの声でサクラの顔が更に青くなる。何をする気だと思えば、先ほどサクラに刺さっていたクナイをキララの顔の前に持っていく。 何をする気だと言う疑問は続いて発せられたタイの独り言でとけた。 「そのきれいな顔をズタズタにされたくなかったら、さけんで助けをよべ。まだあいつは近くにいるはずだ。」 (なっ……! サイテーねコイツ!) サクラから見てもカワイイとしか言うしかないキララの顔の前に、クナイがチラつかされる。まさしく目の前に刃先を突きつけられ、瞳が潤む。傍から見ても心臓に悪いのだ、大怪我を負った上で当事者となっているキララの恐怖はどれほどのものだろう。それをわかってるタイはもう一度脅しの言葉をかけようとして、眉をひそめた。 キララは口だけは笑っていた。 「笑うな、なにがおかしい、おびえろ。」 「あ……あ……」 「そうだ、そのままさけべ。」 「あ──あっかんべぇぇぇ!!!!!」 「うるさっ!?」 大声を上げながら跳ねるようにキララの顔が持ち上がる。伝説の子として人間離れした身体能力や視力を持つ彼だが、聴力もまた人間離れしている。可聴域の広さと単純な耳の良さが仇となり、アイドルの大音声を顔の前でくらい、思わず耳を抑え上体を反らした。 そして耳を抑えるような時は、なぜか人間目までつむってしまうものだ。 「はっ! そこか!」 「しゃんなろおおお!」 気づいたときにはもう遅い。 サクラは変化の術を解くと、タイの手の中に持たれたままだったサクラの服が元の彼女の姿に戻った。 先の変わり身の術、実は変わり身などしていない。そもそもの話、ただ単に「変わり身の術」と口にして煙玉を使っただけで、実際に発動したのは変化の術だったのだ。 攻撃が当たったと騙す変わり身のように、変わり身だと騙す変化。下忍になるまでの彼女ではそんなふうに応用は効かなかっただろうが、今の彼女はうちは一族の末裔であるサスケと意外性ナンバーワン忍者のナルトと同じスリーマンセル、波の国で2人が見せた変化の術を使った連携をいまの自分にできる形で落とし込んだのだ。 「おおおおおお!!」 裂帛の気合と共に、先ほどまで掴まれていた手の平にクナイを振るう。最短距離で、かつそこには弱点だろう、瞳があった。 「まずい、がああああっくそがあああっ!!」 伝説の子たる証である第三の目、タイの場合は手の平にあるそれにクナイが突き刺さる。その瞬間、タイの妖力に乱れが生じた。 変化した自分を弱点を曝け出した手で掴んでくれた。その僥倖を逃しはしない。目なのだからきっと弱点だろうというサクラの希望的観測は、しかし、実際弱点。それ以前に感覚の鋭い手を傷つけられたことで一瞬のパニックとなる。とっさに払いのけるように手を振るうと、くるりと回って手が離れた代わりに自分からサクラに体を突っ込ませるような体勢になってしまう。そこにあるのは、先ほど刺さっていたクナイ。そして彼の超身体能力を反射的に無理やり作動させてしまい。 「がああああ、あ?」 すとんと、体の真ん中に吸い込まれていく。 クナイが、彼の心臓へとぶち刺さった。 信じられないものを見る目で、タイは自分の胸を見る。そこには黒光りするクナイ。ニ度見する。三度見する。クナイ。 「そんな……バカな……ぼくは、伝説の子なんだぞ……こんな、ことが……こんな死に方が……こんな、悪い、じょうだんだ……」 「……いやだ、こんな、死に方……」 「…………………」 タイの声が小さくなって、膝から崩れるように仰向けに倒れた。 「ハァ……ハァ……ざまあみろ……」 それを見送り、サクラもキララの横に寝転がるように倒れた。腹からの血は刺されたときよりも勢い良く流れている。激しい動きで動脈の傷が完全に開いたのだろう。そして大声を出したキララもまた同様であった。こちらはずっと仰向けだったので一見して出血は少ないが、サクラ以上に大量出血を起こしている。 「イッタぁ……どうしよう、これ……ダメかもしれない……ごめんなさい、助けられそうにないや。」 「ううん……さっきの、なに? マジック?」 「ただの変化……忍者だからさ。木の葉隠れの……」 「へー……すっごい……忍者……」 ぐにもつかない話をするのは、血を失いすぎて2人とも痛みを感じなくなってきている。意識が眠るように遠くなり、睡魔に抗うように喋り続ける。口を閉じたときが命の灯火が消えるときだと、本能的に察しているからか。 「そう、忍者……春野サクラ……第七班……木の葉隠れの……」 「キララ……夢見……キララ……アイドル……それで……この間……」 「春野……サクラ……サスケくん……」 「教室……アイドルで……行先……アイドル……マヨイ……迷宮……」 もはや互いの声も聞こえていない。自分が何を話しているのかもわかっていない。耳に血が行っていないため聴覚を喪失し、脳に血が行っていないため言葉を音としてしか認識できない。 それでも名前を名乗る。自分が誰なのか伝えられずに死んでいくのは嫌だという感情は残っている。何か言いたい、言って死にたい、それがたわごととして口から流れる。 それから10分ほど、2人はせん妄状態で意味の無い言葉を話し続けたあと、まず夢見キララが、その数分後春野サクラが、それぞれ心停止した。 (なんかきな臭いと思ったらこれか……これどこ行っても殺人事件起こっとるんちゃう?) 「ダメだ、死んでる……」 せやろな、と心の中で思うに留める。 名波翠は一難去ってまた一難という言葉を今日ほど噛み締めたことはなかった。 殺し合いに巻き込まれ、時間遡行の感覚を覚えて未来を変えようとし、テレパシーで相棒の死を感じて、明らかに殺し合いに乗ってそうな参加者を見つけ、ここまでで1時間ほど。人生で一番辛い時間だったと思う。だがそれから先1時間もそれと同じぐらい辛いことになりつつあった。 「心臓を一突きされた男の子と、お腹を刺された女の子、それにこっちは、どういう殺され方でしょうか?」 立ち話も何なのでと近くに見えた建物を目指したのが悪かったのか。カレンが自分たちが居たという農協に案内しようとするのをジュンが警戒したことに便乗したのが悪かったのか。行ってみたら漂ってきた血なまぐさい臭いにまさかなと思っていると、3人の子供の死体と対面した。 そしてそんな凄惨な殺害現場で比較的冷静にそう話すのが、翠が頭を悩ませている原因である参加者の少女、大場カレンだ。 カレンは、というかカレンの知り合いだという朱堂ジュンとカレンの同行者だという滝沢未奈は、どちらも殺し合いに乗っていた。テレパシーもそうだが、雰囲気が尋常ではない。それも単に事件に巻き込まれた人間のものではなく、事件を起こす側の雰囲気だ。これまで何回も普通ならば考えられない事件に巻き込まれているからわかる。この3人は絶対に気を許せない。 (なんで一度に3人も殺し合いに乗ってるやつに会うねん。もしかしてそういう子供ばっか集めとるんか?) 「アンタ良く平気だね。」 「これは殺し合いなんです、こういうことだって起こってもおかしくないでしょう? それとも、あのウサギの話を聞いて人が死なないドッキリだとでも思ったんですか?」 「そういうことじゃなくて、アンタの心について聞いてんのよ。」 「やめなよ二人とも……」 とても友好的とは思えない会話をしているが、これで元からの知り合いだというのだからいったいなんの知り合いだったのだと聞きたくなる。 (この3人に比べたらまだメイ子のほうがマシや。) 膝を折って遺体に手を合わせている玉野メイ子の姿は、3人と比べると一般人らしさがある。惨殺死体を前に真剣に祈りを捧げているのは割と普通ではないのかもしれないが、とにかく死者をいたんでいるのだから死者を増やそうとしている人間よりはマシだろう。これで自分のような能力を持ってたり自分と違ってあまり心根が良くなさそうなのでそこは心配だが、と自分を棚に上げて思う。割とどっこいどっこいの人間性である。 「いや待て、こいつ生きてるぞ!」 そして最後の一人で唯一の男子で一番まともそうな藤山タイガとどうこの4人を管理しようかと考えようとしたところで、彼の叫び声に耳を疑った。 「そんなアホなこと──ホンマや!?」 「少しだけど心臓が動いてる!」 メイ子と2人で駆け寄ると男子の胸に目をこらす。たしかに、かすかに上下していた。 (どう見ても心臓に刺さっとるよなあ。でも刺さってない……いやこれ絶対刺さっとるやろ。ど真ん中やん。それにこの子、なんや、この感じは……?) (ちっ、気づかれたか。このまま気をうしなったふりをしておこう。) ──タイは死んでいなかった。 たしかに心臓は刺された、妖力も上手く操れない。 だがしかし、しかしそれだけではタイを殺し切るには足りなかった。 タイ自身も自分の体の再生能力には驚いていたが、彼は子供の頃から親代わりの男によって虐待を受けて育つという哀しき過去がある。その過去が彼に、姉の竜堂ルナをも上回る再生能力をもたらしていた。 とはいえ、心臓に何か刺さっても刺さり方が良かったので生きながらえた、というのは時々聞く話。これは精々、常人なら確実に死んでいた傷が、ギリギリで自然治癒が見込める程度でしかない。動かず喋らず身動ぎせず、それで少しずつ傷が閉じていっているレベルだ。しかもクナイが刺さったまま。それでは治ったとしてもまともに動けないが、背に腹は替えられぬ。わずかでも動かせば途端に血が吹き出るという予感がある。 「なるほど、死人ではなく、怪我人ですか。」 そしてもう一つ。今喋ったカレンと呼ばれている少女。彼女が話した途端に場の空気が剣呑なものになった。理由はわからないが、カレンかもしくはカレン以外も何か危険なものを感じる。タイは顔が強張るのを抑えられない。今の自分はほんの少し喋るだけでも、大きく息を吸うだけでも死にかねない身。狩る側から狩られる側に回ったことを、突き刺さる少女たちの視線から理解した。 【0139 森・『チーム過半数ステルスマーダー』】 【タイ@妖界ナビ・ルナ(5) 光と影の戦い(妖界ナビ・ルナシリーズ)@講談社青い鳥文庫】 【目標】 ●大目標 殺し合いに乗る。 ●中目標 心臓の傷が塞がるまで死んだふりをして安静にする。 ●小目標 こいつら、いやな気配がする…… 【名波翠@宇宙からの訪問者 テレパシー少女「蘭」事件ノート9(テレパシー少女「蘭」事件ノートシリーズ)@講談社青い鳥文庫】 ●中目標 このグループ危なすぎるわ、なんとかしないと…… ●小目標 この子生きとるんか? そもそも人間か? 【大場カレン@生き残りゲーム ラストサバイバル つかまってはいけないサバイバル鬼ごっこ(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】 【目標】 ●大目標 バトル・ロワイアルを優勝する。 ●中目標 このグループを利用する。 ●小目標 うまくごまかしてマーダーだとバレないようにステルスする。 【朱堂ジュン@生き残りゲーム ラストサバイバル 最後まで歩けるのは誰だ!?(ラストサバイバルシリーズ)@集英社みらい文庫】 【目標】 ●大目標 優勝する。 ●中目標 命の百合を手に入れる。 ●小目標 うまくごまかしてマーダーだとバレないようにステルスする。 【滝沢未奈@絶体絶命ゲーム 1億円争奪サバイバル(絶体絶命シリーズ)@角川つばさ文庫】 【目標】 ●大目標 由佳(妹)を助けるために1億円とせっかくなら命の百合を持ち帰る。 ●中目標 このグループを利用する。 ●小目標 うまくごまかしてマーダーだとバレないようにステルスする。 【藤山タイガ@絶滅世界 ブラックイートモンスターズ 喰いちぎられる世界で生き残るために@集英社みらい文庫】 【目標】 ●大目標 主催者をぶちのめして生き残る。 ●小目標 目の前の男子(タイ)を助ける。 【玉野メイ子@サイキッカーですけど、なにか? (1)ようこそ、ウラ部活へ!?(サイキッカーですけど、なにか? シリーズ)@ポプラキミノベル】 【目標】 ●大目標 まず死にたくない、話はそれから。 ●中目標 とりあえず翠に従っとく。 ●小目標 目の前の男子(タイ)を助ける。 【脱落】 【春野サクラ@NARUTO-ナルト-白の童子、血風の鬼人(NARUTOシリーズ)@集英社みらい文庫】 【夢見キララ@迷宮教室 最悪な先生と最高の友達(迷宮教室シリーズ)@集英社みらい文庫】
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無限桃花~天神の宿命・前編~ 「はい。チャーシュー麺のフダの人~」 八戸駅の構内にある小さな立ち食い。狭い室内にはラーメンの香りが漂う。 K市から新幹線の通る八戸駅までは結構な距離がある。バスで青森駅まで行き、さらに特急に乗らなければならない。 今年の10月には青森駅まで新幹線が開通するらしいが、現状では新幹線に乗るには八戸駅まで足を運ばなければならない。 桃花は東京へ戻ろうとしていた。無限一族の秘密が記された古文書は寄生に奪われ、影糾への手掛かり、悪世巣は、自らが知らぬ間に桃花自身の刃に倒れた。青森に留まる理由は無い。 「チャーシュー堅いな‥‥‥」 八戸駅の構内は寒い。出来合いの味の無いチャーシューが乗ったラーメンも、身体を温めるにはちょうどいい。 「ごちそうさま」 桃花はセルフサービスのカウンターに器を返す。店のおばちゃんの「ありがとう」という一言を背に、桃花はホームへ歩きだす。 そろそろ新幹線が出る時間だ。 ーーーあの時。あの崖の上の決戦。 金色に輝く妖狐。悪世巣。あの人間を遥かに超越した力を前に、私はどうやってそれに打ち勝ったのだろう? 圧倒的だった。今までの何よりも‥‥‥ 桃花にその記憶は無かった。気が付いた時は、英子の民宿で横になっていた。 その空白の時を知っているはずの英子は、口をつぐんでその時の事を語ろうとはしなかった。 「これが‥宿命って奴なのかな‥‥‥‥」 英子はただ、そう言っていた。 英子はもう少し青森に留まるように言ったが、桃花は聞かなかった。見送りすら拒否した。 まだ傷も癒えぬ身体だったが、悠長にしてはいられない。 新幹線が出る。窓の外は今だ雪だ。 いずれこの雪景色も消える。数時間もすれば、桃花は再び東京に立つ。 社内では幼い姉妹がはしゃいでいる。新幹線は始めてだろうか。もの珍しい光景に、目を輝かせている。 たしなめる父親の言う事も聞こえない様子だ。 「彼方‥‥‥」 思わず口からこぼれる。幼い姉妹は、かつての自らと重なりあった。 懐かしい記憶を蘇らせる。向こうに着けば、また戦いの日々だ。せめて今だけは、懐かしさに溺れたい。 桃花は目を閉じ、そして、眠りの中へ落ちて行った。 ーーー冷たい床。壁にかけられた木刀。正面には神棚が備えられていたが、その扉は閉ざされている。 それは、古武術の裏稽古をする際の習わしだ。 「痛いよお父さん‥‥」 「どうした桃花?そんなんじゃ無限の免許はやれんなぁ」 「外雪降ってるよ。もう止めようよ。お腹空いたよ~」 「うーん~そうだな。今日はもう終るか。英子おばさんも待ってるだろうし」 無限鷹寅。 青森にて無限流の道場を構る、桃花と、そして彼方の父親。 道場を構え数百年経つが、門下生は居ない。そこは鷹寅と桃花の為の場所だった。 「帰る支度しなさい桃花。ちゃんと彼方も起こしてくるんだぞ」 道場の隅では分厚いジャンパーに包まれ彼方が眠っていた。桃花同様に父と道場へよく来るが、父は決して彼方に稽古をつけようとはしない。 それは、ただ単にまだ彼方が幼いからだと、桃花はその時そう思っていた。 「彼方起きて!帰るよ」 「‥‥ん‥彼方まだ眠い‥‥」 「こんな所で寝たら風邪引いちゃうよ。起きて彼方」 「ほら、二人とも早くしなさい」 「あら、お帰りなさい。さんびがったべぇ?なにもこった日まで稽古いがねしても‥‥」 「すみません英子さん」 「ん?なしたば?」 「津軽弁わかりません」 「嘘つけ!」 温かい家庭だった。英子の作る夕食を、家族と一緒に食べる。母は居ないが、いたって普通の、有り触れた家庭だ。 「ねーお父さん?」 「なんだい桃花?」 「なんで桃花って桃花って言うの?」 「ん?名前の由来知りたいのか?そうだなぁ。桃花が男だったら「刀火」だったんだけどなぁ。女の子には武骨過ぎるから当て字で「桃花」にしたんだけど‥‥‥」 「当て字って何?」 「え?ああ、当て字ってのはな、読み仮名に合うように適当な漢字を‥‥」 「桃花よくわかんない」 「え?ははは。いずれ解るよ」 「じゃあ彼方はなんで彼方って言うの?」 「彼方か?彼方の名前の由来はな‥‥‥‥‥‥なんだ」 「よくわかんない」 「いずれ解るよ」 外はうっすら雪が降り始めていた。今年もまた、苛酷な冬が訪れる。その冬は、桃花の苛酷な宿命が回りはじめた冬だった。 「お父さん何見てるの?」 「え?あ、あーダメダメ!見ちゃダメ!」 父は古文書の写しをよく読んでいた。桃花と彼方は中身が気になり、盗み見た事があったが、何を書いているかは殆ど解らなかった。 その時は父にこっぴどく叱られ、道場でギッタギタにされるハメになった。 それ以来、彼方は古文書に近づこうともしなかったが、桃花はまだ興味がある。 「彼方はもう寝たんだろ?桃花も早く寝なさい」 「眠くないもん」 「寝なさい」 父は桃花を寝室へ連れて行き、寝かし付ける。横では彼方が寝息を立てていた。 彼方を見る父はどこか悲しそうだ。桃花にはそう見えた。 鷹寅はゆっくりと姉妹の寝室を出る。鷹寅は知っていた。無限の宿命は娘達の世代で動きだす。止められない。 外はうっすら雪が積もっていた。感じていた。その時は近いと。 「寝たの?」 「ええ。やんちゃな娘で大変ですよ」 「そうかな?大人しい子に見えるけどね」 父は冷蔵庫から缶ビールを取り出してプルを起こす。寝酒のつもりだったが、さして意味はなさなかった。 ここ数日は眠れない日々が続いていた。胸騒ぎがするのだ。『奴』の夢を見た。闇を纏った怨霊の夢。 『奴は』高らかに、現代へ復活を宣言していた。 もうすぐ、『奴』は現れる。 ガタン! 突然の音。音の出所は台所だった。台所の包丁が、床に突き刺さっていた。 「一体誰が‥‥?」 迷う暇なく、突風が家を揺らす。同時に床に落ちたはずの包丁は、意思があるかのように舞い上がり、鷹寅へ飛び掛かる。 すんでのところへ回避し、柱へ包丁が突き刺さる。鷹寅の頬には一筋の傷が出来た。 「さすが無限鷹寅。このようなやり方では失礼だったかな」 声が聞こえた。同時に柱の包丁がうごめく。 寄生だ。しかもこいつは‥‥‥ 「私の名前は練刀。我が主、迎えに参った」 九十九神。物に着いた霊。刃物に着いた九十九神は練刀と名乗った。 突風はさらに続く。家が倒壊しそうなほどの激しい風の中に混じって、声が聞こえる。 「鷹寅に構うな練刀よ。それよりも先に成すべき事がある。この家と鷹寅は後で悪世巣がまとめて焼き払うだろう」 「了解した。婆盆よ」 とうとう来た。『奴』に寄生された、悲しき妖達。 もはや彼等も、『奴』と同じ寄生となっていた。 「桃花!彼方!」 鷹寅は叫んだ。 無限桃花~野狐と鬼神~ 無限桃花~天神の宿命・後編~ 無限桃花~落つる天~まとめに戻る
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霧に溶け込んだ白を基調にしたドレス。 その後姿をルイズが見つけ出したのは奇跡としか言いようがなかった。 それを始祖の導きと信じ、ルイズは大声で彼女を呼び止めた。 「姫様!」 僅かにルイズへと向けられるアンリエッタの横顔。 しかし、それも一瞬。 すぐさま彼女は前へと向き直り、再び走り出す。 ルイズの姿を見止めても彼女の足は止まらない。 息を切らせながらルイズがその後を追う。 追いかけっこのように続く二人の歩み。 互いに必死に前へと突き進む中、 重いドレスを纏ったアンリエッタの腕をルイズが捕らえた。 それでもアンリエッタは振り払おうと、残った手を振り回して叫ぶ。 「手を離してルイズ! 離しなさい!」 「ダメです姫様! 早く学院から避難してください!」 幾度も顔に当たるアンリエッタの手を堪えながらルイズは答えた。 何が彼女をそうさせるのかは分からない。 だけど、このまま行かせてしまえばどうなるか。 ルイズの網膜に焼きついた死体と目の前のアンリエッタの姿が重なる。 込み上げる恐怖から逃れるように腕に力を込める。 崖から落ちそうになっている人を助けるように、 彼女はありったけの力でアンリエッタの腕を捕まえていた。 その場に繋ぎ止められたアンリエッタが言葉にならない叫びを上げた。 彼女の視線の先には何もない。白い壁と化した世界が連綿と続くのみ。 だが、光を追い求める虫のように彼女は向かおうとする。 溢れ出した彼女の想いが言葉となって流れ落ちる。 「止めないで! あの人が行ってしまう! 私の元に帰って来てくれたのに…! ウェールズ様がまた行ってしまう!」 「姫様…?」 悲鳴じみた声を上げるアンリエッタと困惑するルイズ。 二人の少女の姿を幾つもの瞳が捉えていた。 白い靄の中に真っ白い目が浮かび、彼女たちを見ていた。 全身を覆う布の中で唯一外界に晒された目が見ていた。 その内の一人が指先で指示を飛ばす。 それに応じて彼女達の逃げ場を奪うように男達は左右に拡がった。 彼女達に悟らぬように狭められる包囲網。 ただ仕留めるだけならばそこまでする必要はない。 先程までの連中と同じく音もなく忍び寄り首を掻き切ればいい。 だが、彼等はルイズ達を逃がさない事を最優先に行動した。 足音を殺し彼等は二人へと近寄る。 仮に息を殺さなくてもルイズ達は彼等の接近には気付かない。 半狂乱になった少女の叫びが周りの音を掻き消す。 それに紛れて唱えるのは“眠りの雲”。 後は杖を振るうだけという段に入り、 あまりの呆気なさに男達は笑みを浮かべた。 一国の姫を攫うという大仕事のはずが鴨を撃つよりも容易い。 その刹那。にやけた男の口から何かが飛び出す。 長く細い棒。目を凝らせばそれは鏃だった。 後頭部を貫通して出てきた矢を咥えながら一人が前のめりに倒れた。 即座に残った仲間が詠唱の終わった魔法をそのまま、矢の飛んできた方向へと放つ。 他の攻撃魔法に切り替える余裕などない。 だが最悪、眠らなかったとしても睡魔に襲われた状態では矢の狙いは定められない。 逆にこちらから仕掛けるチャンスだと踏んで男は飛び出した。 足を踏み出した彼の目に映ったのは視界を覆う銀色。 風を切りながら飛来したそれは男の眼球を抜けて突き刺さった。 頭を打ち抜かれた死体が新たにまた一つ地面に転がる。 それを見下ろす男の目には明らかな恐怖が浮かんでいた。 敵の姿はおろか気配さえも掴めない。 訓練を受けた自分達以上に隠密行動を得意とする敵。 騎士ではない、かといって他の貴族の護衛とも思えない。 ましてや生徒や教師であろうはずがない。 何の抵抗も許されず、何も分からぬまま殺されていく。 そして最後に一人残された自分。 耐え切れなくなった男がその場を駆け出した。 “ここに自分たち以外の誰か……いや、何かがいる” それを伝えようと彼は分かれた仲間の下へ戻ろうとした。 しかし放たれた矢が鋭い痛みと共に男の足を貫く。 流れ落ちる血にも構うことなく男は杖を振るい、 矢の飛んできた方向へとエア・ハンマーを放った。 打ち出された空気の塊が僅かに霧の幕を押し退ける。 そして彼は敵の正体を目にした。 舞踏会の参加者を模したアルヴィー。 その身の丈は成人の膝上にも満たない。 子供が喜びそうな玩具の手には、 矢を番えた本物の武器が握らされていた。 「………!」 男が杖を握り締める。 未知の敵への恐怖は消えていた。 眠りの雲が効かなかった理由も、 気配を探れなかった理由も明らかとなった。 そして、それは目の前の敵を叩くだけで解決する。 霧に再び覆われようとするアルヴィーに男は杖を振るう。 直後。風切り音が響いて男の手から杖が零れ落ちた。 男の掌を穿っているのは仲間を撃ったのと同じ矢。 “他にもまだアルヴィーがいたのか” 伏兵の存在を疑わなかった自分を罵りながら男は杖へと駆ける。 アルヴィーの手にあるボウガンは連射が利く物ではない。 一度撃てば次の矢を番えるまで間がある。 だからこそ前方のアルヴィーだけ警戒していればいい。 そう踏んだ彼のもう一方の足を矢が貫いて転倒させる。 それは前から飛んできたものではなく彼の背後から放たれたものだった。 “三体目……まだ伏兵がいるのか” しかし落とした杖は目前。手を伸ばせば十分に届く距離にある。 杖さえ拾えばアルヴィーの数体程度どうにでもできる。 自分が受けた仕打ちを倍にして返してやろうと男は必死に手を伸ばした。 次の瞬間、男の腕に何本もの矢が突き立てられた。 手の甲も二の腕も余すところなく矢が突き刺さり剣山と化す。 激痛に悲鳴を上げてのたうつ男の視界にそれは現れた。 先程と同様に武器を持ったアルヴィー。 耳を凝らしても聞き取れないような小さな足音が、 まるで漣のように静かに広がっていく。 人形、人形、人形、人形、人形……。 彼の視界を埋め尽くすように、それらは並び立つ。 まるで自分を中心に輪になって踊るかの如く、 アルヴィーの群れが男を取り囲む。 その手の内では凶悪な武器が鈍い輝きを放つ。 「や……止め…」 何度も耳にしながら一度も口にした事のない台詞。 当然それは彼が今までそうしてきたように聞き流された。 降り注ぐ矢の雨は彼が絶命するまで止む事はなかった。 「本命はお姫様か、それとも彼女か」 その光景を遠見の鏡で眺めながらロングビルは呟く。 彼女の操るアルヴィー達が襲撃者を包囲する。 霧の中でも遠見の鏡は彼等の姿と居場所を明確に映し出す。 それは頭上から盤面を見下ろしているのに等しい。 この学院で起きる事全てを彼女は把握している。 遠目の鏡に映るコルベールとエンポリオ、そして炎上する校舎。 「では予定通り彼女たちから先に保護しましょうか」 その惨劇を横目で見ながら彼女は無視した。 彼女にとって何よりも優先されるのはジョゼフの命令。 そこに学院と生徒達の保護は含まれない。 それに、もし主人の思惑が彼女の想像通りだとすれば、 学院での犠牲者は多ければ多いほど望ましいはずだ。 「主の意図を汲み取って動くのも従者の務めですもの」 そう囁く彼女の口元には艶やかな笑みが浮かんでいた。